日本語変換ソフトとしてATOKを使っています。MS-IMEでも良いのでしょうが、以前から使っているというのと、日本語変換の精度で定評があるということで選びました。長く使っていますが、間違った選択ではないと思っています。
さて、ATOKでもMS-IMEでも、真に使いやすい日本語入力環境とするには、個人に応じたカスタマイズが必要です。辞書の整備もそのひとつで、よく使う単語などは、辞書に登録しておくと後々の作業がはかどります。ATOKの辞書管理はちょっと特殊で(MS-IMEなどを詳しく知らないのでこれが普通なのかもしれないけれど)、ユーザーが自由に作成できる辞書と、システムが使っている辞書があります。ここで混乱を引き起こすのが、「辞書セット」という概念です。辞書セットには、複数の、ユーザー(辞書作成を主たる事業とする企業なども含む)が作成した辞書を登録することができます。これにより、ある特定の辞書セット(たとえば「インターネット関連辞書セット」)に、特定の傾向を持った単語が登録された辞書(たとえば「インターネット顔文字辞書」「インターネット用語辞書」)が登録できるようになります。いちいち辞書をマージしなくてもよいのが便利なのでしょう。しかし、これらの「登録された辞書」とは別に、「ユーザー辞書」というものが、それぞれの辞書セットに作成されます。この「ユーザー辞書」とは、単語登録(Ctrl+F7)や推測変換の情報を貯め込む辞書です。単語登録時に登録先の辞書セットを選ぶことができるのですけれども、ある辞書セットを選択して単語登録をすると、その辞書セットに登録されている辞書(のファイル)に単語が登録されるのではなく、辞書セットに対応したユーザー辞書に単語が登録されます。このユーザー辞書は、ATOK側が自動的に作成してくれます。
さて、登録した単語が間違えていた、他に作成していた自分用の辞書の情報をマージしたい、などの理由により、ユーザー辞書を編集したくなったとします。このとき、「辞書メンテナンス」にある「辞書ユーティリティ」というツールを使うことで、登録されている単語を編集したり、他の辞書から単語情報を持ってきたりすることができる…はずなのですが、メニュー上の項目が灰色になっており、単語情報の編集はおろか、追加や削除もできないようになっている場合があります。
これは、「オンメモリ辞書」という機能を使っているために引き起こされます。メモリ上に辞書を置くのでアクセスが高速化されるのですが(以前使っていた環境ではバグの温床でしたが…最近は改善された様子)、登録された単語情報を編集できなくなるというデメリットも生じてしまうということになります。…ひどいですね!
「オンメモリ辞書」のチェックを外すと、編集ができるようになります。このとき、再起動が必要になります。