司法修習生のひとりごと – 司法試験って?

今回は、司法試験について書こうと思います。だいぶ間が空いてしまいましたが、これは、書いた記事がいまいちまとまらずお蔵入りになってしまったのと、他に書いた記事が過去の記事と被ってしまったためです。すみません。

前にも書いたとおり、司法試験は法曹三者(裁判官・検察官・弁護し)になるための試験です。法律についての基本的知識と、具体的な事件に対する法律の適用力が試されます。いずれも、実務家にとって重要な能力です。

これまた前に書いたとおり、法科大学院を卒業することが受験資格になります。現在では、予備試験というものも行われており、これに合格することでも受験資格を得ることができます。ただ、合格率がきわめて低く(合格者数が極端に少ない)、こちらのルートを通ることができるのはごく少数にとどまるでしょう。その他に受験資格はなく、何歳からでも受けられます。

試験科目は、公法系・民事系・刑事系・選択科目の四種類ですが、公法系は憲法と行政法、民事系は民法と商法(会社法)と民事訴訟法、刑事系は刑法と刑事訴訟法から構成されているので、合計八科目があることになります。また、公法系・民事系・刑事系は、それぞれ短答式試験と論文式試験があります。短答式はマークシートの選択問題で、論文式は文章で記述する問題となります。科目数が多く、それぞれの試験時間も長いので(論文式は各科目2時間)、試験は四日間をかけて行われます。ちなみに、試験時期は5月上旬のゴールデンウィーク明けです。

全体的な合格率は、年々低下傾向にあり、2割程度だったと思います(毎年変わるので、正確な値は法務省のホームページなどで確認してください)。昔ほどではないにしても、難関の試験であるといえるでしょう。しかし、特別なことをしなくても、法科大学院で学ぶ内容をしっかりと身に付けていれば合格できる試験なので、超難関というほどではないでしょう。どちらかというと、長時間の試験を乗り越える知的な忍耐力が試されているような気がします。

持ち込むことができるのは、筆記用具と時計だけです。六法全書は試験用のものが貸与されます。全日程を終えると、持って帰ることができます(あまり嬉しくありませんが)。会場には時計がないので、卓上時計は必需品です。試験時間は厳守しなければならず、時間を超えて書き続けていると失格になりかねません。ほとんどの科目において時間は足りないので、時計がないと時間配分ができないのです。論文作成は黒のペンに限られますが、下書きや答案構成には鉛筆を使うこともできます。ここは各人の好みがあるところで、万年筆を使う人や、特定のブランドのポールペンを選んで使っている人など、様々です。かなりの分量の文章を書くことになるので、書きやすさを第一に選んでいるようです。

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