color-themeのインストール

NTEmacsのデフォルト配色は、白背景に黒文字です。しかし、これはちょっと明るすぎるので、黒背景に白文字を使うようにしたいところです。これをしようとすると、背景色やら前景色やら、ひとつひとつ.emacsに書き込んでいかなければならないのですが、とてもじゃありませんが面倒です。白背景で困らなければ、こんな面倒を背負い込む必要もないのですが、黒背景にしたいという強い希望があるので、困ってしまいます。(Peggy PadとかEclipseは白背景で使っているのにね! なぜかEmacsだと受け付けない。)

そんな面倒を解消してくれるかもしれないパッケージが、こちらのページを参考にしました。まあ、このページに全部書いてあるんですけどね。わたしが付け加えることも無いに等しいのですけどね。

まずは、ダウンロードしたcolor-theme-6.6.0.tar.gz(もしくは.zip)を展開します。color-theme-6.6.0というディレクトリができるので、その中にあるMakefile.defを編集します。編集すべきは、Emacsの実行ファイルがあるパスと、ディレクトリの位置です。以下の定数を、それぞれ適切な内容に編集します。自分の環境の設定が入っているので、適宜、それぞれの環境に応じた内容に変えてください。

EMACS = /cygdrive/c/app/emacs/emacs-23.2/bin/emacs.exe
PREFIX = /cygdrive/c/app/emacs/emacs-23.2
ELISPDIR = $(PREFIX)/site-lisp/color-theme-el

これが終わったら、Emacsのsite-lispディレクトリにcolor-theme-elというディレクトリを手動で作成し、そこに、color-themeを展開したディレクトリにあるcolor-theme.elをコピーします。インストールするときにバイトコンパイルをしているのですが、なぜか、インストール前だというのに、インストールされるcolor-theme.elを読み込もうとしているのです。そのため、事前にコピーしておく必要があります。これをしておかないと、makeに失敗します。

コピーしたら、make installで終了です。

make: *** No rule to make target `color-theme.info', needed by `install-info'. Stop.

というエラーが表示されますが、無視して結構です。Makefileにはマニュアル類をインストールするコードが書かれているのに、そもそもマニュアル類が実装されていない(ファイルそのものがないし作られない)ために発生しているだけですから…。

終わったら、.emacsでライブラリをロードするようにしておきます。

(require 'color-theme)
(color-theme-initialize)

どんなテーマがあるかは、color-theme-selectを実行することで、見ることができます。

いろいろ見てみましたが、どれも…びmy

Windowsで快適な日本語Emacs

Emacsの日本語環境としては、Meadowという派生アプリケーションが有名です。しかし、Emacs 22までで止まっており、Emacs 23には追随していないとのこと。どうせ使うなら最新のバージョンを使いたい!(とくに新機能を使うというわけでもないのだが…) ということで、Meadowは敬遠していたのですが、そうすると、日本語のインライン変換ができないなど、Emacs 23の不便なところを受け入れなければならなくなります。さらに、最近リリースされたEmacs 23.2を使ってみたら、日本語の入力ボックスすら表示されなくなっているではありませんか! さすがにこれは使い物になりません。

ということで、ちょっと検索してみたら、NT Emacsというものが存在するようです。名前は若干違いますが、何ということはない、単にEmacsにパッチを当ててビルドしたものだということ。これならば、最新のEmacsに追随しつつ、Windowsに特化した機能を得られるのでしょう。そこまでは謳っていないような気もしますが、そんなイメージです。ええ、勝手に期待しています。

こちらのページにて、NT Emacsのインストール方法が紹介されています。

これからインストールに取りかかってみる予定。

紹介されていた方法では、Emacsにパッチを当ててビルドするという方法です。やれやれ、MSYSやらMinGWをインストールしなければならないのか、こりゃ大変だ、と思っていたのですが、パッチを公開しているgnupackを見てみると、ビルド済のNT Emacsが公開されているではありませんか。もしかして、これを使えばいいのではないか?

パッケージをダウンロードして使ってみると、何のトラブルもなく、起動してくれました。しかも、ちゃんとインラインで日本語入力ができます。

なんということでしょう、これにて一件落着です(笑)。

というわけで、gnupackが公開しているNT Emacsを使えば、Windowsで快適な日本語Emacs環境が得られます(少なくともわたしは快適だと思っている)。何というか、自分が考えつくことは、たいてい、すでに誰かが行っているという経験則を実証してしまったような気もしますね。まあ、終わりよければ、それでよし。

Windowでemacsみたいなエディタ

いつの間にか、emacsキーバインドが体に染みついてしまいました。もはや、標準的なWindowsのエディタを使うことはできません。カーソルを移動させようと思うとファイルを開いてしまったり、印刷を始めてしまったりしてしまうのです。

そんなわけで、ふと思い出したように、いろいろなエディタを探す旅に出てしまうことがあります。Windows上で、自分の要望を適度に満たしてくれるエディタはないものか、開発環境はないものか。キーバインドはemacsに準じたもので、しかしWindowsネイティブなプログラムであって動作は軽快、設定も分かりやすくグラフィカルであってほしい。内部はRubyもしくはJavaScriptが組み込まれていて、簡単にスクリプトを利用することができる。そんな、使いやすいエディタはないものか。

そこまで考えているなら、自分で作れって話ですが。

まあ、それはそれとして。既存のものを頑張って作る必要はありませんから、まずはリサーチすることが肝要なわけです。

かつて使っていたのはxyzzy。emacsに準じた操作方法、Lispインタプリタ内蔵、動作も軽快と、希望を満たしてくれるソフトウェアでした。しかし、ある時期を境に、更新が止まってしまいます。現在ではソースも公開されており、これを改変することによって自分の希望を満たすようにできるのかもしれませんが、うーむ。現状でも十分な性能を持っているので、とくに更新されなくても構わないように思えますが、いまは使っていません。また使おうかな…。

次に見つけたのは、エディタではありませんが、xkeymacs。Windowsのフックを使って、あらゆるアプリケーションをemacsバインドにしてしまおうという、ちょっと野心的なソフトウェアです。確かに、このアイディアは素晴らしいところがあります。しかし、もともとemacs的な機能を持っていないソフトウェアについては、無理があります。そのため、こればかりに頼るというわけにもいきません。たとえば、Ctrl+X Ctrl+Fは、メニューから「ファイルを開く」という項目を探して、それを実行しているように見えます。そのため、メニューの記述が一般的なアプリケーションと異なっている場合などは、この機能が働かないということになります。

しかし、ちゃんと適合するソフトウェアであれば、emacsっぽく使うことができるようになります。Peggy Padは、そのような要件を満たすエディタのひとつでした。スクリプトなどの機能はありませんが、軽快で、テキスト編集には十分な機能を持っているソフトウェアです。企業が作っているということで、それなりに(いろいろな)信頼が置けそうだというところもポイントです。まあ、そんなものは主観にすぎず、本当に信頼できるかどうかは分からないのですが。とりあえず、けっこうな期間使いましたが、信頼が裏切られたようなことはありませんでした。

Meryというソフトウェアもあります。これはスクリプトを使うことができたり、プラグインを使うことができたり、拡張性に優れています。エディタとしての機能は、標準的。ちなみに、スクリプトはWindows Scripting Hostをサポートしているようで、JScriptとVBScriptがサポートされているとのこと。しかし、Delphiで作られているためか、ちょっとxkeymacsとの相性はよくありません。

いろいろと巡ったところで、行き着いたところは、emacsだったりします。最近のビルドはWindowsでもそのまま動くようになっており(バイナリ配布されているものを使った場合)、ある程度はGUIを使って操作することができます。しかし、Windows APIを直接に使うようなものではないようで(何かのツールキットを使っている様子)、GUIまわりにちょっと不安があります。しかし、期待しているすべての機能を満たしており(そりゃemacsなんだから当然だ)、機能的には満足です。Emacs Lispがよく分からないので、ちゃっちゃっと設定を書いたりすることができないというのが難点ですけれども。

なんだか、いろいろ探していたら、最初にいた位置に戻ってきたという感じです。しかし、最近のemacsはWindowsでも使えるように対応が進んでおり、また、国際化も進んでいて、UTF-8が普及したからか、日本語なども問題なく扱えるようになっています(ただ日本語入力するときはインラインに書き込めない。これは何とかしてほしい。自分でコントリビュートすればいいのだろうが)。