司法修習生のひとりごと – 検察での事件処理

検察実務修習では、三、四人のチームに二件の事件が割り当てられ、約二か月の間に処理することになります(東京の場合)。処理というのは、事件について捜査して必要な証拠を集め、最終的な処分、すなわち公訴提起するか起訴猶予とするかなどを決定することです。被疑者を裁判にかけるかどうかという、その人の人生を左右しかねない大きな判断をすることになるので、みんな真剣に取り組んでいます。

検察ではほとんど捜査などしないのかと思っていましたが、そんなことはなく、かなり頑張って捜査しています。ただ、警察の捜査とは違って、現場に赴くような事は少なく(研修生という立場ではなおさら)、関係人や被疑者の取り調べをして調書を作成することが中心となります。電話で事情聴取したり、検察庁に呼んで取り調べをしたり、なかなか大変です。

もちろん、修習生が一人で全部やらなければならないものではありません。その都度、指導担当検事の判断を仰いだり、相談をしたりしながら、言ってみれば検事の手足として事件処理を進めていきます。しかし、基本的に、検事の方から積極的に修習生に指示をするということはないので、修習生は自分で考えて、プランニングなど行なっていかなければなりません。