Java Script - 導入
1. 準備
これからJava Scriptについての話をしていくわけですが、まずはJava Scriptの実行環境を整えておきましょう。といっても、大したことではなく、適切なWWWブラウザとテキストエディタを用意するだけです。
テキストエディタはメモ帳でも構いませんし、その他のエディタ、Visual Studioなどの統合環境、一太郎のようなワードプロセッサでも構いません。テキストファイルを作ることができるのならば何でもよいというわけです。
WWWブラウザはInternetExplorerやNetscapeNavigatorなどがよいでしょう。他のブラウザでも、Java Scriptが実行できるものならば構いません。しかし、IEやNN以外にあるのでしょうか? 私は知りませんが……。HotJavaとかならできるのかも。
プログラミングの経験は無くても何とかなるようにするつもりですが、もしかすると、何ともならないかも知れません(笑)。
こりゃダメだ、と思ったら、C++やJavaをかじってみてください。Javaなんかをやっておくと、アプレットを作るときにも役に立つでしょうね。もっとも、そんな簡単には行きませんが。
Java Scriptはとても簡単な構造のスクリプト言語です。しかも、他の言語とは趣が違っていて、HTMLの中に書き込めるスクリプト言語です。そういうわけで、ブラウザに強く依存してしまうスクリプトになってしまっています。そのため、NetscapeとInternetExplorerでブラウザ機能の操作などに関して違いがあります。これが何とも悩ましい問題点です。
まあ、そんなに大規模な言語ではないので言語自体は簡単に憶えられるのですが、Java Scriptをサポートする組み込みのオブジェクトはとんでもない量になります。
とてもそれらすべてを解説するわけにはいかないので、解説しないオブジェクトに関しては書籍を参照してください。お勧めなのは「Java Script ポケットリファレンス」(技術評論社/古籏一浩)です。私も使っています。
図解もわかりやすいし、読みやすく、付属のCD-ROMも有用です。Java Scriptをちゃんとやってみよう、という方は持っておくと便利でしょう。価格は定価1780円です。意外に安いです。
2. HTML
Java Scriptは、それ単体では何もできないと言っても過言ではありません。ほとんどは「フォーム」と呼ばれるデータの入出力構造と、「イベント」を使うことになります。
フォームというのはエディットボックスやチェックボックスの集合体と考えてしまって問題ないでしょう。Borland C++ BuilderなどではGUIを使ってホイホイと配置していけるのですが、HTMLはテキストベースなのでフォームを<FORM>〜</FORM>で囲い、<INPUT>タグを使ってエディットボックスやチェックボックスをタグで配置していきます。
とりあえずはサンプルを書いてみます。
このフォームのHTMLは次のようになります。
<FORM><BR>
<INPUT type="text" name="text_smp" size="10"><BR>
<INPUT type="button" value="sample" name="button_smp"><BR>
<TEXTAREA name="textarea_smp" cols="40" rows="3"></TEXTAREA><BR>
</FORM>
このようなフォームにJavaScriptを組み合わせていきます。
また、フォームだけでなく、アンカーなどにもJavaScriptを使うことができます。その場合、JavaScriptはイベントとして実装されます。アンカーにマウスが重なったときのイベント、クリックされたときのイベントなど、ある「動作」に対してJavaScriptが実行されるのです。
さて、ここで「JavaScriptを使うと何ができるのか?」という事について考えてみましょう。実は一番大切なことかもしれないのに、今頃? なんて言わないでくださいね。
JavaScriptを使えば何でもできる、と考えるのは間違いです。JavaScriptはクライアント側で何かを行うことしかできません。たとえば、リストからジャンプしたい場所を選択してボタンを押すことでその場所へジャンプする、ということや、現在の時刻(クライアント側の時刻)を使って気の利いた一言を表示する、そしてHTMLを自動生成する、ということはできます。
しかし、メールを送信したり、アクセスカウンターを作ったりすることはできません。
繰り返しますが、JavaScriptはサーバー側ではなく、クライアント側で動作します。ところで、この「サーバー」と「クライアント」という概念はわかりますよね? これがわからないと、インターネットでのプログラミング(JavaScriptやJavaアプレットなども含む)で困ることになると思いますよ。
クライアントでは、サーバーから送られてきたデータしか使うことができません。クライアント側のハードディスクなどにアクセスすることは普通、できませんからね。WindowsUpdateなどはActiveXを使って見事にクライアントの情報を読んじゃいますが。
JavaScriptでどこまでできるのか? という事に関しては、実際にさわってみて、悩んでみなければわからないと思います。ですから、どんなものでもよいのでどんどんスクリプトを書いていくのが良いでしょう。
3. 台無しにする現状
と、ここまでちょっとJavaScriptに関して紹介し、これから始める方に「じゃあやってみるか」と思っていただけるようになったかもしれません。ですが、JavaScriptを取り巻く現状は、すこし、不安なものになっています。
まず、InternetExplorerの普及によって、JavaScriptが追いやられています。C#という、JavaとC++の両方を合わせて台無しにしたような言語(もしかすると良い言語なのかも)が現れ、マイクロソフトがそれを普及させようとしています。すると当然、DynamicHTMLで使われる言語もC#へシフトしていくことになるでしょう。
また、いろいろなブラウザでJavaScriptの挙動が違うというのも問題です。必要なオブジェクトがなかったり、望むエフェクトが存在しなかったり、結局、大したことができずに実用レベルまでこぎ着けることができなくなることもあります。
コアユーザーになるばなるほど、一般的なブラウザを使わなくなるということも考えなければなりません。一般受けするようなホームページならば、NetscapeやInternetExplorerに合わせればそれでいいでしょう。しかし、誰が見に来るかわからないようなところでは、もしかしたらLynxやw3m、mosaic(笑)などが使われることもあります。
UNIX上のNetscapeではうまく動作しないJavaScriptもあるようです。とくに、日本語を使っているとうまく動かないことが多いようです。
以上のことから、じつは、JavaScriptはよほどのことがない限り使う必要がないということになります。
いまはPHP3やPerlなど、サーバーサイドの言語を学んだ方が、いろいろ役に立つかもしれませんね……。
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